ハッカーズ(スティーブン•レビー)
先日、家族と話をしていて、昔読んだ本について話題になりました。
その時、「ハッカーズ(スティーブン•レビー)」の話になり、本の内容を説明していて、気づいたんですが、
意外とこの本の影響を受けてたなと思って、買い直してみました。
この本、中3か高1位の時、当時、少ないお小遣いをはたいて買ったんですが、当時は、読書力も無く、とにかく読みにくくて、
それなりに読むのに時間が掛かった記憶がありました。
買い直して、改めて読むと、進む進む。読書力は、少しは進歩している様です。
内容は?というと。
一番印象に残っているのは、1960−70代のアメリカ、コンピューターの黎明期。
この頃のコンピュータは、滅茶苦茶デカくて、タンス3個分、4個分のデカさ。パンチカードの束を作りロードしていた時代から、紙テープにバイナリをパンチする時代。バイナリを直接打ち込むから、アセンブラ、初期の言語、PL/I、FORTRANなんかで書いていた。当然、コンピュータも貴重なので、なるべく効率的に利用する様な運用になっていたんですね。24時間、予約制で利用する事になっていました。
この時代のMITで、既に「ハッカー文化」があったんですね。
「テック鉄道模型クラブ」の鉄道が好きというよりは、模型を動かす制御系が好きなメンバーが中心に、コンピュータルームの前にたむろし、コンピュータプログラミングの沼ハマっていく。夜中にコンピュータの利用予約した人が来ない利用枠をもぎ取るため常に待ち構えるので行動は夜間中心。凄いコードを書く、コードを改良する事を競い合い、素晴らしいコードを書く人間は、どんな人間でも認められ。酷いコードを書く人は、どんな人でも蔑まれる。当然。このコミュニティのプログラミング能力は、素晴らしく高くなっていく。
12才の学習障害のある少年が良いコードを書く様になり、コミュニティに受け入れられる一方、正規ユーザーである、大学院生が、無限ループのコードを何度も書いて、呆れられ、最終的には、無限ループを実行すると、無能をディスるメッセージと共に親切にも原因を教えてくれる様にシステムを改修され、結果、大学院生が怒鳴り混んで来た話もあったそうです。(親切だが、一言多い。。。)
また、夜中にコンピュータが壊れて、直すのに、朝担当者が来る迄待てないので、部品がある部屋や、工具のある部屋の鍵を勝手に開ける為のマスターキーを作ってしまうと少し行き過ぎた話もありました。コンピュータを使う時間を最大化す為に障害になるもの鍵や、パスワードは邪魔なので外すという考えが根底にあるのですが、そのうち、マスターキーを作る事自体が楽しくなり、一時、完璧なマスターキーを作る事を競うのが流行ったそうです。(そのうち飽きてしまうまで続いたそうです)
興味が湧けば、競い合い突き詰めて行く気質。自分の方が良いコードが書けるというある種の傲慢さ。年齢肩書きは関係が無いコード実力主義。朝まで待てない様な短気さを持つ人々。
興味のある事を(必要であれば、やや強引にこじ開けてでも)解析、解明したりコントロールできる様にしたり。問題、課題に対する素晴らしい解決方法を発明したり。これが「ハック」です。※後者は、「ライフハック」って言葉から受ける印象に近いですね。
こんなコンピューター黎明期から、こんな文化が出来てたんですね。
この本には、上記の様な話や、
Apple、MIcrosoftの最初の頃の話、初期のゲーム開発の話なんかもあります。
今読んでも、中々面白いですよ。